あの瞬間のことを、どう言葉にすればいいのか、いまだによく分からない。
ただ、あれが人生で一番“人間らしい絶頂”だったという自信だけはある。
肛門が、彼の視線に耐えかねて、ふるふると震えていた。
膣じゃない。乳首でも、喉でもない。
一番見せたくなかった穴が、今、開こうとしていた。
「そのまま。目を逸らすな」
彼の声が、冷たくも優しい針のように私の背中を突き刺す。
トイレじゃない。ただのシート。
私はそこにしゃがみ、パンツを太ももまでずらしたまま、震える両手で腹を押さえていた。
便意はすでに限界だった。
でもそれ以上に、彼に**“出す瞬間”を見せることへの羞恥と興奮**が私を支配していた。
お願い、出ちゃう。
出るのに、止めたくて、でも出したくて。
私の中の何かが、崩壊した。
ぶちっ……ぶりゅっ
……音が、静かな部屋に響いた。
私の排泄音が、彼の目の前で、空気を震わせた。
目を逸らせば負けだと思った。
だから、私は彼の目を見たまま、
笑ってしまいそうなほど恥ずかしいその音を、
“わたしの全部”として出し続けていた。
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